2013年03月15日
第5回 かしこい酒粕
日本酒は、秋に米が収穫されてから本格的に仕込みが始まり、発酵をコントロールしやすい低温の時期に集中製造します。米洗いからスタートして酒を搾るまでが、だいたい1ヵ月~2ヶ月ぐらい。とくに温度管理に気を配り、時間をかけて丁寧に仕込む吟醸酒は年末~2月中旬が製造のピークで、今月後半から5月末ぐらいまで、各地で開かれる新酒鑑評会(品質コンテスト)で今期の出来栄えをチェックしたりします。
一方、我々飲み手にとって嬉しいのは、この時期、限定発売されるいろいろなタイプの新酒。にごりが混じった搾りたて、発酵を完全に止めずに炭酸を残した発泡酒、アルコール度数の高い生原酒など等です。搾って間もない酒は、酒造のイロハからいえば“未完成”状態なので、酒蔵でも酒屋さんでも販売期間を区切り、売り切ってしまいます。
酒造のイロハでは、搾った後の処理として、
(1) にごりを完全にとるために濾過をする。
(2) 酵母の働きを完全に止めるため火入れ(加熱殺菌)を行う。
(3) 水を足してアルコール度数を15~16度に調整する。
(4) 瓶詰前に再度火入れをする。
を行い、貯蔵をし、年間流通させます。ただし“変化球”として、(1)をはぶいたものを『無濾過』、(2)(4)をはぶいたものを『生酒』、(3)をはぶいたものを『原酒』、(2)をはぶいて(4)を行うものを『生貯蔵酒』として売ることもあります。合わせ技で『無濾過生原酒』なんてのもありますね。原料が米ですし、大きな味の差別化ができない分、製造工程の違いによって変化をつける日本のモノづくりらしい繊細さがうかがえます。これら“一部変化球酒”は品質が変化しやすいので、冷蔵保存が鉄則。一度開封したら、なるべく早く飲み切ってください。
それにしても、日本酒を買い慣れていない人にとっては“変化球”の種類が増えると混乱してしまいます。これに加え、酒造工程の前段階として、原料米の精米歩合や醸造アルコール添加の有無によって『大吟醸』『吟醸』『純米』『本醸造』『普通酒』などと区分けされるので、「日本酒はラベルの読み方が複雑で判りにくい」と思われるのも致し方ありません(こちらの区分けについては追々紹介します)。前段階と後処理、この組み合わせいかんで、一つの銘柄でも実にいろいろな種類の酒が、時期に応じて発売されます。酒造りのことを突っ込んで知りたいと思ったら、まずは、一つの銘柄で一年間発売されるラインナップを追いかけてみるのもいいと思います。
そうそう、酒屋さんや飲食店の中には、「1年経った搾りたて」とか「2年置いてみた無濾過生原酒」等など、蔵元の手から離れた後、熟成という工程を勝手に?加える変りモノがいますので、そういう売り手と仲良くなっておくと、レアな変り種にありつけると思います(笑)。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
さて、酒が搾られるということは、酒粕もたんまり出る!わけで、新酒が出揃う時期には、ぜひ、お近くの蔵元、酒店、スーパー等で酒粕を入手しておきましょう。大手メーカーがコストカットを目的に、酒粕をあまり出さない造り方をするようになったので、基本に忠実に、丁寧に造られた地酒の酒粕って、今、すごく希少価値があるんですよ。
静岡県の酒蔵では、原料の米を徹底的に洗ってきれいな蒸し米を造り、その蒸し米からいい麹、いいもろみを醸し出す。当然、酒を搾った残りの酒粕も雑味が少なく、風味が素晴らしい。蔵元によっては、もろみ100のうち、60~70%余を酒粕にしてしまい、酒は搾りに搾った真の滴だけ・・・というこだわった造り方をしています。昔は酒粕が多い=酒が少ない=下手な造り方というレッテルを貼られたそうですが、今は180度評価が変わりました。経営者が杜氏になるケースが増え、こういうぜいたくな酒造りも可能になったんですね。当然、原料にもこだわりの酒造好適米を使っていますので、酒粕がいいのも当たり前、というわけです。
写真左は吟醸バラ粕。吟醸酒はもろみを酒袋に入れて積み上げ、上からゆっくり圧力をかけて、自然に搾り出てくるのを溜める、という方法をとることが多いので、酒袋に残った粕もふんわりしっとりしています。期間限定ですが蔵元や地酒専門店で入手できます。吟醸酒の風味が残っているので、私はドリンクや鍋など“汁物”に使うようにしています。冷凍すれば1年は保ちます。
写真中央は板粕。吟醸酒よりも精米率の低い酒は、アコーディオンのような機械で強制圧縮させて搾ります。圧力が強い分、酒粕も板状になります。スーパーや量販店でも手に入りやすいですね。冷蔵でも1年保存OK。
写真右は板粕を3年冷蔵保存したもの。ナッツやチョコレートボンボンのような風味になります。これが意外に調味料として重宝するんですね。味噌やチーズなど他の発酵食品との相性もGOOD! 酒とみりんを加えてペースト状にすれば、粕漬の床になります。粕漬床は冷蔵保存し、1ヶ月ぐらいで使い切ってください。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
しずおか地酒研究会では、2004年の浜名湖花博「庭文化創造館」で、真夏の『雪見の庭』を眺めながら、静岡の蔵元が持参した酒粕を使って冷やし甘酒を提供し、多くの方に喜ばれました。このとき、酒粕の効能についていろいろ資料を集め、調べてみたところ、目からウロコのネタばかり! それまでは何といっても酒が大事で、粕は眼中になかったため(笑)、猛省させられました。
そもそも酒粕とは、酒のもろみを搾った後、役目を終えた酵母や、清酒にならなかったデンプン、たんぱく質、ビタミン類のかたまり。脳の活性化に効果のあるグルタミン酸、疲労回復に効果のあるアスパラギン酸、メラニン生成を抑制するシステイン、体内で合成できない必須アミノ酸のロイシン(肝機能強化)、リジン(脂肪燃焼や鎮静作用)、アルギリン(免疫力向上)等、20種類以上のアミノ酸がバランスよく含まれます。米に比べ、アミノ酸の総量はなんと583倍。ビタミンB2は26倍、B6は47倍というグレードです。
アミノ酸が豊富ということは、肌の保湿力や美白効果を促進してくれます。もちろん頭髪にもいい。さらに、アレルギー症状をやわらげ、高血圧抑制やボケ防止にも効果があるといわれる優秀な酵素ペプチド、ヨーロッパでは抗うつ剤に使われるS-アデノシルメチオニン等の有効成分も。江戸時代、甘酒は夏の滋養強壮のために飲まれ、夏の季語にもなっていましたから、先人たちは経験則として解っていたんですねえ。
そして今、酒粕の有効成分として注目されているのが、2010年秋にNHKためしてガッテン酒粕特集で紹介された「レジスタントプロテイン」。食物繊維のように消化されにくい性質を持つたんぱく質で、体内に入ると、消化されずにそのまま小腸に行き、食物の脂質と結びついて、そのまま体外へ排出させるというのです。排出=大便はいつもより脂質が多くなるので、お通じがスルッとなって、便秘改善 → ダイエットの味方!に。
脂っこいものを食べるとき気になる“悪玉コレステロール”も、レジスタントプロテインが抱え込んで排出してくれるので、コレステロール数値が下がり、血液がサラサラ → 動脈硬化予防につながります。
自分は手遅れだけど(涙)、20~30代の早いうちから常食しておけば、成人病のリスク軽減になると思います。ぜひ酒粕を常備食材にして、賢く利活用してください。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
さて、2004年の浜名湖花博ではキッチンディレクターの田米嘉宏さん(浜名湖ロイヤルホテル調理部)が甘酒作りや酒粕デザートレシピを担当してくれました。日ごろお世話になっている蔵元の奥様たちからも、アイディアレシピを教えてもらっていますので、いくつかご紹介しましょう。
★甘酒の作り方★
酒粕350gに対して、水1ℓ、上白糖140g、塩小さじ2分の1を用意。酒粕を鍋に一度に入れると焦げやすいので、ボールなどで少量ずつ溶かして鍋に移し、最後に上白糖と塩で味付けすると、上手に仕上がります。暖かい季節は冷やし甘酒にしたり、レモン汁を加えて凍らせてシャーベットにしてもGOOD!
★豆乳甘酒★
甘酒を作る時、水を豆乳にします。レジスタントプロテインに大豆プロテインが加わり、強力な健康ドリンクに! 私は、新鮮な吟醸粕が入手できたときは、ミキサーに豆乳200CC、酒粕20グラム、ハチミツ少々を入れて攪拌させ、スムージー感覚で飲んじゃいます。加温すると死滅しちゃう酵母が活かされるし、風味もバツグン。朝の快便間違いなし! ただし微量ですがアルコール分がそのまま残りますので注意してください。
★酒粕ピザ★
板状の酒粕にとろけるチーズを乗せてオーブントースターで6~7分。トースト代わりになります。バラ粕ならギョウザの皮に乗せて、ハーブソルトとオリーブオイルをふりかけ、トースターで3分。簡単なおつまみになります。
★酒粕と味噌のカナッペ★
材料/フランスパン、酒粕30g、田舎味噌20g、上白糖10g、万能ネギの小口切り大さじ1、日本酒大さじ1)
(1)フランスパンを5ミリ厚に切ってオーブンで軽く空焼きします。
(2)酒粕、味噌、上白糖、日本酒、ネギを混ぜ合わせます。一緒に呑む酒の味に合わせて甘さを加減するとよいです。個人的には、ちょっと砂糖多めにするほうが酒の味がひきたつかなあ・・・。
(3)パンに(2)を塗り、オーブンで焼き色が付くまで(7~10分程度)焼きます。和風に徹したかったら、パンを油揚げに代えてもOK。
★酒粕サブレ(60~70個分)★
酒宴向けのひと手間かけたデザート。バター60gを常温に戻し、酒粕150gとなじませ、グラニュー糖200gを加える。振るった薄力粉250gを加えて、こねずにざっくり合わせます。棒状に伸ばして適当な数に切り、160度のオーブンで10~15分焼きます。
★かんたん酒粕鍋★
今冬の寒さはコレでしのぎました。土鍋に湯を沸かし、こぶ茶(だし代わり)、酒粕、味噌少々を融かし、適当に具材を煮込むだけ。とくにお気に入りの芽キャベツは甘さがグンと増します。こぶ茶をコンソメに代え、酒粕+味噌+バター+牛乳でホワイトシチューにしてもよし。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
昨年来の塩麹ブームで、今、改めて、酒粕の効能にスポットライトがあたっています。わさび漬けを常食している静岡人ならば、酒粕の味にも慣れていると思いますが、前述のとおり、酒粕自体、品薄になっていて、わさび漬け屋さんもよい酒粕を求めて必死。市販に回る酒粕の量は年々減っていますから、油断できません。
それより何より、日本酒の製造量が減ってしまうと、酒粕自体も減ってしまいます。万能食材である酒粕を末永く常用するには、日本酒をしっかり飲んで、買い支えていくしかありません!・・・と自己弁護する私の杯は、今夜も眠れそうにありません。
一方、我々飲み手にとって嬉しいのは、この時期、限定発売されるいろいろなタイプの新酒。にごりが混じった搾りたて、発酵を完全に止めずに炭酸を残した発泡酒、アルコール度数の高い生原酒など等です。搾って間もない酒は、酒造のイロハからいえば“未完成”状態なので、酒蔵でも酒屋さんでも販売期間を区切り、売り切ってしまいます。
酒造のイロハでは、搾った後の処理として、
(1) にごりを完全にとるために濾過をする。
(2) 酵母の働きを完全に止めるため火入れ(加熱殺菌)を行う。
(3) 水を足してアルコール度数を15~16度に調整する。
(4) 瓶詰前に再度火入れをする。
を行い、貯蔵をし、年間流通させます。ただし“変化球”として、(1)をはぶいたものを『無濾過』、(2)(4)をはぶいたものを『生酒』、(3)をはぶいたものを『原酒』、(2)をはぶいて(4)を行うものを『生貯蔵酒』として売ることもあります。合わせ技で『無濾過生原酒』なんてのもありますね。原料が米ですし、大きな味の差別化ができない分、製造工程の違いによって変化をつける日本のモノづくりらしい繊細さがうかがえます。これら“一部変化球酒”は品質が変化しやすいので、冷蔵保存が鉄則。一度開封したら、なるべく早く飲み切ってください。
それにしても、日本酒を買い慣れていない人にとっては“変化球”の種類が増えると混乱してしまいます。これに加え、酒造工程の前段階として、原料米の精米歩合や醸造アルコール添加の有無によって『大吟醸』『吟醸』『純米』『本醸造』『普通酒』などと区分けされるので、「日本酒はラベルの読み方が複雑で判りにくい」と思われるのも致し方ありません(こちらの区分けについては追々紹介します)。前段階と後処理、この組み合わせいかんで、一つの銘柄でも実にいろいろな種類の酒が、時期に応じて発売されます。酒造りのことを突っ込んで知りたいと思ったら、まずは、一つの銘柄で一年間発売されるラインナップを追いかけてみるのもいいと思います。
そうそう、酒屋さんや飲食店の中には、「1年経った搾りたて」とか「2年置いてみた無濾過生原酒」等など、蔵元の手から離れた後、熟成という工程を勝手に?加える変りモノがいますので、そういう売り手と仲良くなっておくと、レアな変り種にありつけると思います(笑)。
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さて、酒が搾られるということは、酒粕もたんまり出る!わけで、新酒が出揃う時期には、ぜひ、お近くの蔵元、酒店、スーパー等で酒粕を入手しておきましょう。大手メーカーがコストカットを目的に、酒粕をあまり出さない造り方をするようになったので、基本に忠実に、丁寧に造られた地酒の酒粕って、今、すごく希少価値があるんですよ。
静岡県の酒蔵では、原料の米を徹底的に洗ってきれいな蒸し米を造り、その蒸し米からいい麹、いいもろみを醸し出す。当然、酒を搾った残りの酒粕も雑味が少なく、風味が素晴らしい。蔵元によっては、もろみ100のうち、60~70%余を酒粕にしてしまい、酒は搾りに搾った真の滴だけ・・・というこだわった造り方をしています。昔は酒粕が多い=酒が少ない=下手な造り方というレッテルを貼られたそうですが、今は180度評価が変わりました。経営者が杜氏になるケースが増え、こういうぜいたくな酒造りも可能になったんですね。当然、原料にもこだわりの酒造好適米を使っていますので、酒粕がいいのも当たり前、というわけです。
写真左は吟醸バラ粕。吟醸酒はもろみを酒袋に入れて積み上げ、上からゆっくり圧力をかけて、自然に搾り出てくるのを溜める、という方法をとることが多いので、酒袋に残った粕もふんわりしっとりしています。期間限定ですが蔵元や地酒専門店で入手できます。吟醸酒の風味が残っているので、私はドリンクや鍋など“汁物”に使うようにしています。冷凍すれば1年は保ちます。
写真中央は板粕。吟醸酒よりも精米率の低い酒は、アコーディオンのような機械で強制圧縮させて搾ります。圧力が強い分、酒粕も板状になります。スーパーや量販店でも手に入りやすいですね。冷蔵でも1年保存OK。
写真右は板粕を3年冷蔵保存したもの。ナッツやチョコレートボンボンのような風味になります。これが意外に調味料として重宝するんですね。味噌やチーズなど他の発酵食品との相性もGOOD! 酒とみりんを加えてペースト状にすれば、粕漬の床になります。粕漬床は冷蔵保存し、1ヶ月ぐらいで使い切ってください。
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しずおか地酒研究会では、2004年の浜名湖花博「庭文化創造館」で、真夏の『雪見の庭』を眺めながら、静岡の蔵元が持参した酒粕を使って冷やし甘酒を提供し、多くの方に喜ばれました。このとき、酒粕の効能についていろいろ資料を集め、調べてみたところ、目からウロコのネタばかり! それまでは何といっても酒が大事で、粕は眼中になかったため(笑)、猛省させられました。
そもそも酒粕とは、酒のもろみを搾った後、役目を終えた酵母や、清酒にならなかったデンプン、たんぱく質、ビタミン類のかたまり。脳の活性化に効果のあるグルタミン酸、疲労回復に効果のあるアスパラギン酸、メラニン生成を抑制するシステイン、体内で合成できない必須アミノ酸のロイシン(肝機能強化)、リジン(脂肪燃焼や鎮静作用)、アルギリン(免疫力向上)等、20種類以上のアミノ酸がバランスよく含まれます。米に比べ、アミノ酸の総量はなんと583倍。ビタミンB2は26倍、B6は47倍というグレードです。
アミノ酸が豊富ということは、肌の保湿力や美白効果を促進してくれます。もちろん頭髪にもいい。さらに、アレルギー症状をやわらげ、高血圧抑制やボケ防止にも効果があるといわれる優秀な酵素ペプチド、ヨーロッパでは抗うつ剤に使われるS-アデノシルメチオニン等の有効成分も。江戸時代、甘酒は夏の滋養強壮のために飲まれ、夏の季語にもなっていましたから、先人たちは経験則として解っていたんですねえ。
そして今、酒粕の有効成分として注目されているのが、2010年秋にNHKためしてガッテン酒粕特集で紹介された「レジスタントプロテイン」。食物繊維のように消化されにくい性質を持つたんぱく質で、体内に入ると、消化されずにそのまま小腸に行き、食物の脂質と結びついて、そのまま体外へ排出させるというのです。排出=大便はいつもより脂質が多くなるので、お通じがスルッとなって、便秘改善 → ダイエットの味方!に。
脂っこいものを食べるとき気になる“悪玉コレステロール”も、レジスタントプロテインが抱え込んで排出してくれるので、コレステロール数値が下がり、血液がサラサラ → 動脈硬化予防につながります。
自分は手遅れだけど(涙)、20~30代の早いうちから常食しておけば、成人病のリスク軽減になると思います。ぜひ酒粕を常備食材にして、賢く利活用してください。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
さて、2004年の浜名湖花博ではキッチンディレクターの田米嘉宏さん(浜名湖ロイヤルホテル調理部)が甘酒作りや酒粕デザートレシピを担当してくれました。日ごろお世話になっている蔵元の奥様たちからも、アイディアレシピを教えてもらっていますので、いくつかご紹介しましょう。
★甘酒の作り方★
酒粕350gに対して、水1ℓ、上白糖140g、塩小さじ2分の1を用意。酒粕を鍋に一度に入れると焦げやすいので、ボールなどで少量ずつ溶かして鍋に移し、最後に上白糖と塩で味付けすると、上手に仕上がります。暖かい季節は冷やし甘酒にしたり、レモン汁を加えて凍らせてシャーベットにしてもGOOD!
★豆乳甘酒★
甘酒を作る時、水を豆乳にします。レジスタントプロテインに大豆プロテインが加わり、強力な健康ドリンクに! 私は、新鮮な吟醸粕が入手できたときは、ミキサーに豆乳200CC、酒粕20グラム、ハチミツ少々を入れて攪拌させ、スムージー感覚で飲んじゃいます。加温すると死滅しちゃう酵母が活かされるし、風味もバツグン。朝の快便間違いなし! ただし微量ですがアルコール分がそのまま残りますので注意してください。
★酒粕ピザ★
板状の酒粕にとろけるチーズを乗せてオーブントースターで6~7分。トースト代わりになります。バラ粕ならギョウザの皮に乗せて、ハーブソルトとオリーブオイルをふりかけ、トースターで3分。簡単なおつまみになります。
★酒粕と味噌のカナッペ★
材料/フランスパン、酒粕30g、田舎味噌20g、上白糖10g、万能ネギの小口切り大さじ1、日本酒大さじ1)
(1)フランスパンを5ミリ厚に切ってオーブンで軽く空焼きします。
(2)酒粕、味噌、上白糖、日本酒、ネギを混ぜ合わせます。一緒に呑む酒の味に合わせて甘さを加減するとよいです。個人的には、ちょっと砂糖多めにするほうが酒の味がひきたつかなあ・・・。
(3)パンに(2)を塗り、オーブンで焼き色が付くまで(7~10分程度)焼きます。和風に徹したかったら、パンを油揚げに代えてもOK。
★酒粕サブレ(60~70個分)★
酒宴向けのひと手間かけたデザート。バター60gを常温に戻し、酒粕150gとなじませ、グラニュー糖200gを加える。振るった薄力粉250gを加えて、こねずにざっくり合わせます。棒状に伸ばして適当な数に切り、160度のオーブンで10~15分焼きます。
★かんたん酒粕鍋★
今冬の寒さはコレでしのぎました。土鍋に湯を沸かし、こぶ茶(だし代わり)、酒粕、味噌少々を融かし、適当に具材を煮込むだけ。とくにお気に入りの芽キャベツは甘さがグンと増します。こぶ茶をコンソメに代え、酒粕+味噌+バター+牛乳でホワイトシチューにしてもよし。
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昨年来の塩麹ブームで、今、改めて、酒粕の効能にスポットライトがあたっています。わさび漬けを常食している静岡人ならば、酒粕の味にも慣れていると思いますが、前述のとおり、酒粕自体、品薄になっていて、わさび漬け屋さんもよい酒粕を求めて必死。市販に回る酒粕の量は年々減っていますから、油断できません。
それより何より、日本酒の製造量が減ってしまうと、酒粕自体も減ってしまいます。万能食材である酒粕を末永く常用するには、日本酒をしっかり飲んで、買い支えていくしかありません!・・・と自己弁護する私の杯は、今夜も眠れそうにありません。
Posted by 日刊いーしず at 12:00